新型コロナウイルス感染症の感染者増加の状況から、感染拡大防止策と従業員等に感染者が出た時の対応について、
下記の通り、政府ガイドラインが示されましたのでご連絡致します。
感染防止に向けた施設内清掃など基本的な衛生管理の見直しと従業員への周知を加盟店にご連絡いただきますよう
お願い致します。
食品産業事業者の従業員に新型コロナウイルス感染者が発生した時の対応及び事業継続に関する基本的なガイドライン
・ 本ガイドラインは、新型コロナウイルス感染者の報告が増加していることから、食品製造業、食品流通業(卸売、小売)、外食産業の食品を取り扱う事業所の従業員に新型コロナウイルス感染症の患者が発生した時に、保健所(感染症担当。以下同じ。)と連携し、感染拡大防止を前提として、食料安定供給の観点から、業務継続を図る際の基本的なポイントをまとめたものです。
・ 新型コロナウイルス感染症の主要な感染経路は、飛沫感染と接触感染であると考えられています。2020年2月21日現在、食品(生で喫食する野菜・果実や鮮魚介類を含む。)を介して新型コロナウイルス感染症に感染したとされる事例は報告されていません。製造、流通、調理、販売等の各段階で、食品取扱者の体調管理やこまめな手洗い、アルコール等による手指の消毒、咳エチケットなど、通常の食中毒予防のために行っている一般的な衛生管理が実施されていれば心配する必要はありません。
1.新型コロナウイルス感染症の予防対策の徹底
・ 新型コロナウイルス感染症対策については、現在、感染の流行を早期に終息させるために、クラスター(集団)が次のクラスター(集団)を生み出すことを防止することが極めて重要な時期とされており、厚生労働省、都道府県、保健所からの情報に基づいて、徹底した対策をお願いします。
【参考】
・「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」(新型コロナウイルス感染症対策本部決定)
・「新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために」(厚生労働省HP)
・「家庭内でご注意いただきたいこと ~8つのポイント~」(厚生労働省HP)
・ 事業所は、従業員に対し、次に掲げる感染予防策を要請します。
① 体温の測定と記録
② 発熱などの症状がある場合に所属長への連絡と自宅待機の徹底
③ 以下の場合には所属長に連絡の上保健所に問い合わせ
・ 体温37.5度以上の熱が4日以上継続した場合(解熱剤を飲み続けなければならない場合を含む)
・ 強いだるさや息苦しさがある場合
・ 基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など))がある方、透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方で、風邪の症状や37.5度以上の発熱、強いだるさや息苦しさが2日程度続く場合
・ また、事業所は、例えば卸売市場のせり場など常時不特定多数の者が集合する場所では、できる限りマスクを着用し、マスクを着用しない場合には2メートルを目安として適切な距離を保って取引を行うことを徹底するなど、事業所の業態によって感染予防策を行ってください。
マスクの確保については、供給が十分でない状況ですが、政府として取り組んでいるところであり、御理解をいただきますようお願いいたします。
・ 事業所は、従業員の新型コロナウイルス感染症の検査の状況、診断結果等について速やかに報告を受けるなどの適切な情報収集体制を構築してください。
・ 事業所は、手洗いなど次に掲げる感染予防策を徹底してください。
① 出勤時、トイレ使用後、売場・厨房・製造加工施設への入場時には手洗い、手指の消毒。
② できる限りマスクを着用し、マスクがない時に咳をする場合にはティッシュ・ハンカチや袖等で口や鼻を被覆。
③ 通常の清掃に加えて、水と洗剤を用いて特に机、ドアノブ、スイッチ、階段の手すり、テーブル、椅子、エレベーターの押しボタン、トイレの流水レバー、便座等人がよく触れるところの拭き取り清掃。
【参考】これまで集団感染が確認された場に共通すること
① 換気の悪い密閉空間であった
② 多くの人が密集していた
③ 近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声が行われた
という3つの条件が同時に重なった場合。
(「新型コロナウイルス感染症対策の見解」(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議)(3月9日))
2.新型コロナウイルス感染症患者発生時の患者、濃厚接触者への対応
(1)患者発生の把握
・ 事業所は、患者が確認された場合には、その旨を保健所に報告し、対応について指導を受けてください。また、従業員に対しては事業所内で感染者が確認されたことを周知するとともに、1に掲げる感染予防策をあらためて周知徹底してください。
・ 卸売市場で営業を行う事業所は、患者が確認された場合には開設者等に報告してください。
(2)濃厚接触者の確定
・ 新型コロナウイルス感染症の現行の感染拡大防止策においては、医師の届出等で、患者を把握した場合、感染症法に基づき、保健所で積極的疫学調査を実施し、濃厚接触者に対する健康観察、外出自粛の要請等を行うこととされています。
このため、事業所は、保健所の調査に協力し、速やかに濃厚接触者を自宅に待機させるなど感染拡大防止のための措置をとることとなります。
・ また、「地方自治体が、厚生労働省や専門家と連携しつつ、積極的疫学調査等により、個々の患者発生をもとにクラスター(集団)が発生していることを把握するとともに、患者クラスター(集団)が発生しているおそれがある場合には、確認された患者クラスター(集団)に関係する施設の休業やイベントの自粛等の必要な対応を要請する」とされていることにも留意が必要です。
(3)濃厚接触者への対応
・ 事業所は、保健所が濃厚接触者と確定した従業員に対し、14日間出勤を停止し、健康観察を実施してください。
・ 事業所は、濃厚接触者と確定された従業員に対し、保健所の連絡先を伝達してください。
・ 濃厚接触者と確定された従業員は、発熱又は呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈した場合には、保健所に連絡し、行政検査を受検します。また、事業所は、その結果の報告を速やかに受けることとします。
【参考】
「濃厚接触者」とは、「患者(確定例)」が発病した日以降に接触した者のうち、次の範囲に該当する者である。(「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査要領(暫定版)(国立感染症研究所感染症疫学センター令和2年3月12日版)」)
・ 新型コロナウイルス感染症が疑われる者と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
・ 適切な感染防護無しに新型コロナウイルス感染症が疑われる患者を診察、看護若しくは介護していた者
・ 新型コロナウイルス感染症が疑われる者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
・ その他: 手で触れること又は対面で会話することが可能な距離(目安として2メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と接触があった者(患者の症状などから患者の感染性を総合的に判断する)
3.施設設備等の消毒の実施
・ 事業所は、保健所が必要と判断した場合には、感染者が勤務した区域(売場、厨房、製造加工施設、倉庫(冷蔵庫、冷凍庫を含む。以下同じ。)、執務室等)の消毒を実施します。
・ 消毒は、保健所の指示に従って実施することが望ましいですが、緊急を要し、自ら行う場合には、感染者が勤務した区域(売場、厨房、製造加工施設、倉庫、執務室等)のうち、手指が頻回に接触する箇所(ドアノブ、スイッチ類、手すり等)を中心に、アルコール(消毒用エタノール(70%))又は次亜塩素酸ナトリウム(0.05%以上)で拭き取り等を実施してください。
・ 一般的な衛生管理が実施されていれば、感染者が発生した施設等は操業停止や食品廃棄などの対応をとる必要はありません。
4.業務の継続
(1)重要業務の継続
・ 事業所は、濃厚接触者の出勤停止の措置を講じることにより、通常の業務の継続が困難な場合には、重要業務として優先的に継続させる製品・商品及びサービスや関連する業務を選定し、重要業務を継続するために必要となる人員、物的資源(マスク、手袋、消毒液等)等を把握してください。
・ 事業所は、重要業務継続のため、在宅勤務体系・情報共有体制・人員融通体制を整備するとともに、重要業務継続のための業務マニュアルを作成してください。
(参考)従業員の確保状況による段階別の業務継続体制
事業所は、従業員の確保状況に応じて、段階別に業務継続体制を決定します。
【第一段階】
(業務の内容)原則通常どおりの業務
(人員体制)早出・残業等で業務対応
【第二段階】
(業務の内容)重要業務の継続を中心とし、その他の業務は縮小・休止
小規模事業所の場合にあっては業務全体の休止も含め判断
(人員体制)早出・残業等での業務対応に加え、他部門からの応援
(2)食料品の安定供給の確保
・ 小規模な事業所が業務全体を休止する場合には、他の事業所や所属する組合、協会等に相談し、顧客への供給の確保に努めてください。
卸売市場等の食品産業は、国民への食料の安定供給に重要な役割を担っており、新型コロナウイルス感染症の患者が発生した時の対応及び業務継続を図る際の基本的なポイントをお示ししました。農林水産省としても全面的に協力いたしますので、対応していただくようよろしくお願いいたします。
(参考)
1 新型コロナウイルスに関するQ&A(関連業種の方向け)(厚生労働省)
2 新型コロナウイルス感染症対策の基本方針(令和2年2月25日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)
3 「感染症法に基づく消毒・滅菌の手引き」(厚生労働省健康局結核感染症課)
4 「MERS 感染予防のための暫定的ガイダンス(2015 年6月25 日版)」(一般社団法人日本環境感染学会)
全国牛乳流通改善協会より